2時間でマスターできる!精神科レジデントのための脳波の読み方

脳波初心者のためのブログです。2時間で所見が書けるをモットーに、世界一分かりやすい解説を目指しています。

あの難解な脳波も2時間でマスターできる!

[脳波の読み方]実践8 寝るとどうなる?

 ここまで順番、順番としつこく言ってきましたが、なぜそこまで順番にこだわるのか。それは順番通りに見ていかないとこの睡眠時の脳波の徐派を異常と間違えてしまうからです。よ~くイメージをつかんでください。まず患者に開閉眼させ、光を当てる。そして過呼吸させて、落ち着いてから徐々に眠くなるのを待つわけです。場合によっては薬剤を使用して眠らせることもあります。眠くなってくるとだんだんとアルファ波がなくなってきます。これは異常ではありませんよ。そして頭蓋頂鋭波(hump)と呼ばれるシータ波が頭頂葉に出現してきます。これも異常ではありません。よく注意しましょう。両側性で左右対称が特徴です。そして14Hzの紡錘波(spindle)と呼ばれる律動的な波が出現します。そして紡錘波のあとさらに睡眠が深まると徐波がガンガンでてきますが、正常なので慌てないでくださいね。このように睡眠脳波は通常とは全く異なった様相となりますので、頭の中で「さあ、いよいよ睡眠脳波が出て来るぞ」としっかり心の準備をして、脳波を見ていってください。humpと似たものにK複合波というのがありますが、初心者にはほとんど見分けがつかないので気にしないで良いでしょう。
 少し混乱してきましたね。大丈夫。以下で図と表を載せますので、一度聞いて、図と表で頭を整理してまた文章に戻ってくれば、より理解が深まると思います。

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[脳波の読み方]実践1 慌てるな!まずは表紙をチェック!

 さて、ではいよいよ本物の脳波を見ていきたいと思います。脳波は未だにアナログの所が多く、印刷された紙の束を判読するところが多いようです。だいたい、こんな脳波結果があなたに届きますよね。

 図8 脳波結果
用紙2








脳波をめくる前に良く表紙をチェックしましょう。表紙には検査時の患者の様子が記載されていますが、次の4点は必ず確認してください。それは
①閃光刺激
②過呼吸
③睡眠
④開閉眼

①~③は異常脳波を判読するのに必要ですが、人によっては検査ができなかった人もいます。事前に実施できたのか確認しておきましょう。また開閉眼のチェックも必要です。この4項目を確認しておかないとこれから解説する脳波の判読が正確にできないので注意しましょう。また、図9の記載のように眠気が強いと開始早々徐波睡眠が出現し、異常波と間違う可能性がありますので、こういう記載にも注意しておきましょう。

 図9 表紙
表紙




[脳波の読み方]はじめに

 みなさん初めまして。ど底辺ドクターのK.K.です。場末の精神科病院で医師をしています。残念ながらここに書けるような立派な経歴はございません。ただ、ここ最近レジデントに脳波を教えていて、つくづく脳波の本というのは難しく書いてあるものばかりだなーと思っていまして、よし、思い切って世界一分かりやすい本を書いてみようと一念発起して書くことにしました。
 脳波って本当に難しいですよね。私自身も初めのころは脳波の波がミミズが這っている様にしか見えず本当に苦労したのを覚えています。そもそも何から手をつけたら良いのかさっぱり分かりませんでした。そして脳波に関する文献の少ない事、少ない事。何とか数冊購入して読むんでも何が書いてあるのかさっぱり。
 この本は底辺私大の精神科レジデントに向けて書いた本です。脳波の基本のきから始めて、なんと2時間で所見が書けてしまうという世界一の分かりやすさを追求した本です。例えあなたが、医局を離れて民間の病院で初めて脳波を判読するとしても、今日中に所見が書けることを目指しています。 
  この本は順番にも意味があります。飛ばしたりせず、順番通りに進めて下さい。脳波判読者が実際に読むのと同じようにこの本の順番は作られています。それでは難しい事抜きで、早速始めましょう!


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