2時間でマスターできる!精神科レジデントのための脳波の読み方

脳波初心者のためのブログです。2時間で所見が書けるをモットーに、世界一分かりやすい解説を目指しています。

あの難解な脳波も2時間でマスターできる!

[脳波の読み方]準備1 準備する道具はたった二つだけ!

 脳波を判読するためにまず二つの物を準備します。それは

①脳波診療ポケットカード
②脳波スケール

です。この二つはセットとなっており、大塚製薬のMRさんに言えば無料でもらえます。大塚製薬と言えばエビリファイですよね。必ず医局に出入りしているはずです。このカードは脳波の分類が図で載せているので、文献で調べずにこのカードだけで判読ができてしまうという優れものです。
     
   写真1 ポケットカードとスケール
道具



[脳波の読み方]実践11 えっ?もう終わり?~所見の書き方~

 最初に所見にまつわる大きな誤解を書いておきます。実は脳波で色々なことが分かるんじゃないかと思っている人が多いのではないかと思うのですが、脳波ではそれほどのことはわかりません。spike and wave のような明らかなてんかん波を除いて、それ以外は何か脳にありそうだぐらいしかわかりません。電極部位を確認しておけば、おおまかな異常部位を想定できるので、画像検査を確認するときの材料と思えば良いでしょう。

 ではこれまで書いた所見をここでまとめてみましょう。えっ?もう終わり?もちろん終わりですよ。どうですか?これまで2時間ぐらいしか経っていないのではないですか?あとはこの所見の記載例を参考にして、適宜微調整すれば今日からでも所見が書けます。事前にフォーマットを作っておけば楽ですよ。英語の方がかっこいいのでお勧めです。ちなみに診断は私は正常か異常かのどちらかを記載してます。異常の場合は主観で、①わずかに、②中等度、③顕著に、の3段階に分けてます。

所見(日本語)
アルファ波 8~13Hz  30~40μV 後頭葉優位に中等量出現
 アルファ減衰 良好
 非対称性 なし
 漸増・漸減 あり
ベータ波 25~30Hz 5~10μV 全般性、持続的に多量に出現 
シータ波 4~7Hz 40~50μV 左頭頂葉優位に散発的に混入
光刺激賦活法 光駆動なし
過呼吸賦活法 ビルドアップなし 回復良好
睡眠賦活法 睡眠第2段階 頭蓋頂鋭波あり 14Hz紡錘波あり
てんかん波 なし
脳機能低下 なし
診断:正常


所見(英語)
α-wave 8-13Hz 30-40μV occipital dominannt に middle 出現。
 a-attenuation good
 asymmetry (-)
 waxing and waining(+)
β-wave 25~30Hz 5~10μV diffuseにcontinuousにhigh 出現
θ-wave 4~7Hz 40~50μV left parietal dominantにsporadic に混入

P.S.  no drivig
H.V. build up (ー) recovery good
Sleep stage Ⅱ hump(+)14Hz spindle(+)

epileptic discharge(-)
brain degradation(-)

Dig. Normal

[脳波の読み方]実践10 異常と間違えやすいこの3つに要注意!~その名はアーチファクト!~

 異常と間違いやすいものにアーチファクトというものがあります。良く出現するアーチファクトはこの3つです。それは

①眼球運動
②心電図の混入
③電極の接着不良

です。以下図をみながら説明しましょう。

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